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そんな虚しい時間が淡々と過ぎた頃、スマホの画面が光った。メールを受信したのだ。
『あかり』
目を擦った。母以外、登録者はいないはずなのになぜ、名前が表示される?
『びっくりした? 返す前に勝手に登録しちゃった』
気付けば、正座してその短いメールを何度も読み返していた。
夢ではなさそうだが、返事をする義理はない。勝手に登録された奴など無視して当然。
なのに、布団に潜ってもなかなか寝付けず、悔しい悔しいと想いながら放り投げたはずのスマホを掴んだ。
『勝手に登録するな』
『あ、まだ起きてる。何やってんの』
『眠れないだけ』
『同じ。夜って静かだし、なんか怖いよな。テレビの音があると安心するけど』
ガキだ。
とういか、俺は何をしてるんだくそ。
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