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「お? 宮内がメール打ってる姿初めて見たかも~。土砂降りになるわけだなぁ」  めざとすぎる白井の一言で、すっかり気を削がれた。そうこうする内に三限目の放課になったが、やっぱり来ない。  目の前にいる真智に訊こうかと思うが、友達と談笑している。邪魔はできない。  もやもやと考えていたら今度は苛々してきた。らしくないと十分自覚しながら、一組を目指した。  後ろの扉から教室を覗けば、悔しいことにすぐに見つけてしまえる。だって、目立つから。俺の目に色がついているせいかもしれないが、どんな人混みの中でも探し出せる自信がある。  問題の須田は、ど真ん中の席で机に突っ伏していた。  寝ているのか?     顔を顰めていると、二人の女子が笑顔を閃かせて俺に近づいてきた。「わ~、静馬がいる」「どうしたのどうしたの」と。それには応えず、俺は顎をくいと向けて「あいつ、具合悪いの?」と訊ねた。 「あー、灯ちゃん? 雨の日はいっつもああだよ」  猫みたいな奴だな。     
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