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 でも、告白したら周囲の目が変わってしまう。ただでさえ女っぽいとからかわれているのに、本気で男に襲われたなんて笑えない。灯ちゃん、なんて呼ばれて面白がられている方が楽なんだと、須田は語る。 〈ね、ねぇ、聞いてる? 無反応とか傷つくんだけど。俺けっこー勇気出してるのにさ〉  いつも通りの声が出せるまで、もう少し。 〈次はせーまの弱音な。それが筋ってもんだ〉  欲望を抑える方法を誰か教えてくれ。 「だから、本音が言える友達が欲しかったってことか」  ようやく反応があった俺に、須田は安堵の息を吐く。 〈そ、そう。うんうん。だから頑張って口説いてんじゃん〉  数拍の間を空けて。 〈ん? 俺なんかせーまに告ってるみたい? キモっ〉  ここで一緒になって笑えない時点で、もう俺の欲望は抑えられないところまで達していた。  いっそ、本当に堕ちればいい。  俺に恋をしてくれ。好きになって。  そうして、互いの気持ちにズレがなくなれば、母の目を騙しても須田を、灯を手に入れたい。    「明日、お前の家に行く。自慢の姉さんに会わせてくれ」    灯が欲しい、と声に出せば、自分の覚悟も固まる気がした。  強くなれると思った。
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