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居たたまれないほどの視線を感じたが、気付かないふりをした。
「中学の時、可愛いなって思ってた先輩がいて。なんとなく雰囲気でそうなった」
「えっ」「はっ?」「なっ!?」と、灯が激しくどもり始めた。
「なな、なに……それ。好き、だったって、こと? え、え?」
「さぁ。よく分からない。お互い探るような感じで、男同士ってどんなんだろうって軽い気持ちだった」
初めて肌を重ねたときは手探り状態で、女のようには出来なかった。はっきりいって失敗。痛くて、苦々しい思いしかない。けれど、二度、三度と重ねていくと先輩の身体が魅惑的な音を奏でるようになった。そうなると、夢中になると同時に罪悪感が生まれた。
淡々と続ける俺の話に灯は呆然となり、声をなくしていた。
軽蔑されたかもしれない。
「まぁ、でもそんな感じの始まりだったから、冷めるのもわりと早かった。そろそろかなって頃に先輩に止めにしようって言った。けど、泣きつかれた」
セックスだけ試してみよう? と気軽に誘ってきたのは先輩だったが、いつのまにかその本人が溺れていた。恐らく俺に、というより圧倒的な秘密と快楽を共有するスリルに酔っていたんだと思う。
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