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二学期が始まっても夏休みの名残があるようで、生徒達はどこか浮き足立っている。お土産の交換会があちこちで繰り広げられ、それは俺にとっても他人事ではなかった。数えきれないお土産を受け取り、もはやリュックに入りきらない。あぁ迷惑だ。
「おい宮内、何だそれ。店開けねぇか?」
同性には羨ましがられるを通り越して、憐れまれているに違いない。
「好きなの持っていけ」
ひぇ~、などと大袈裟な声を上げつつも、遠慮なく物色を始める男は白井という。比較的仲の良いクラスメイトと言える。多分。
調子の良いことばかり言うが、根はサッパリとした男でそこそこ付き合いやすい。
「部員の奴らにも持っていこうかなぁ」
白井は幽霊部員の俺と違って、青春を謳歌するテニス部だ。俺より背はやや低いが、体つきはしなやかで健康的な肌色をしている。人なつっこい笑顔をすると、八重歯が少し見えて猫っぽい。けど、顔は狸に似ている。どこがって垂れ目なところ。
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