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 今、行くって言った? いやいやまさか。そんなそんな。  改めてそっと灯の様子を窺うと、視線がひと時絡んだ。なぜか蒼さんを彷彿とさせる攻撃的な眼差しを俺にひたりと向けてくる。これは幻? 「行くし」  決然とそう言い放つと、俺を一睨みしてやっぱりぷいっと顔を背ける。  衝撃で思考が停止していると、白井が「よっしゃ~!」と小躍りする姿が視界にチラついて、殺意を覚えた。いや、殺意に近い、キンキンに尖った感情。
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