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 イラッともくるが、モヤッともする。だってもう食べ終わっているように思う。なのに、視聴覚室へ行く素振りが見受けられない。  まさか、俺のメール読んでない?  そう思うと今度はソワソワしてきた。いつでもすぐ対応できるよう机の上に待機させたスマホを掴み、クレームを入れてみる。 「あ、灯ちゃんメール来てるよ」 真智の指摘で灯がスマホを確認すると、一瞬だけこちらに視線を奔らせた。そして風を切るように顔を背け、顎をツンと上げる。  な、なんだその態度はっ!? という俺の心を肌で感じたのか、灯はスマホに指を走らせた。 『軽薄な奴と喋ることないし。せーまの馬鹿』 「なっ……!」  思わず叫びかけて、慌てて口を押えた。がしかし、一文字でも声を張り上げたのでいくらか周囲の注意を寄せてしまい、誤魔化すように咳き込んでみせた。なんてダサい。  いや、そんなことよりこの文面だ。なぜ、そんなことを言われる!?  胸に手を当てて自分が軽薄か否かを約一分間考えた。残念ながら否定はできない。これまでの行いを振り返ればそう言わざるを得ない。だ、だが。いやしかし。  灯に対しては誠実に接したつもりだ。でなければ羊のふりをする方法だってあったんだぞ。  黙っていられず再びメールを飛ばす。 『どういう意味だ』     
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