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『せーまって気が多いのな。次々人を好きになるんだ。振られてざまーみろ』  全く意味が分からない。ただ、理不尽なことを言われているのは違いない。 『お前こそ人の気持ちを知りながらよく合コン行くとか言えるな。しかも自分に気がある男がいるって知りながら行くなんて、軽薄』 「灯ちゃんいきなりどうしたの?」  急に立ち上がった灯に、真智とその友達が揃って小首を傾げていた。 「ちょっと……、行ってくる!」  怒鳴るように言い放った灯は、こちらを見もせず大股で教室を出て行った。その後を、俺は悠然とした足取りで追いかける。
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