13

1/12
前へ
/148ページ
次へ

13

 灯が、俺の恋人になった。と、自分に確認すること数えきれず。  一週間、二週間と経っても現実味が湧かず、ふわふわしている。でもふとした瞬間、こうなることが当たり前で、もうずいぶん昔から一緒にいたような気さえする。きっと頭の中には花が咲いているんだ。  浮かれていると言われれば否定はしないが、楽しいばかりでもない。母の目を誤魔化すのももちろん、校内でも注意を強いられる。俺より灯の方が気にするくらいだ。  ちなみに先日、須田家へご挨拶へ行った。正式にお付き合いさせて頂きます、よろしくお願いしますと。何だかんだとけしかけておいて祝いの一言もなく、蒼さんは俺に一冊のノートを投げて寄越す。そこには、灯と付き合う上でのお約束事がびっしり記されていた。多分、いや絶対守れないだろうこともあるが、真面目に読んだ。  一に、デートは姉同伴。(三ヶ月間)  二に、灯の部屋にこもっていいのは一時間。  三に、キスは一日一回。  四に、エッチは月一回。  五に、避妊具必須のエッチは半年後。  六に、灯が嫌がることはしない。  七に、浮気したら殺す。     
/148ページ

最初のコメントを投稿しよう!

386人が本棚に入れています
本棚に追加