「怖い噂」コンテスト応募作品

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「怖い噂」コンテスト応募作品

「えっ? トラックに跳ねられたのに、 なんでオレ……生きてるんだ? つーか、ここはいったい……」 何の面白みもない、ただのトラック転生。 そんなものが本当に起こるだなんて、 信じていなかった。 だがどこかで期待している自分がいた。 だって誰だって一度は憧れたことがあるだろう? 遠くの山の遥か上空を、 巨大な鳥みたいなのが飛び、 エルフやドワーフが闊歩する ファンタジー世界でチート生活することを。 「よっしゃああああ! あばよ現実! 俺はここで理想の自分になる!」 (ふひひ! 俺のチート能力はなんだ? 最強最悪の即死スキル?) (それとも死人だって蘇らせる回復スキル? もしくはチート界の王道! コピースキルか?) (いやいや……最近は異世界転生モノも 捻りの効いた作品が増えてっから、 ドラゴンの親に任命とか、 魔王の教育係とか世界樹の管理人とか 直接バトルしないTUEE系かもしれねぇな) 俺は貪るように読んだ異世界転生ノベルを 頭の中で読み返し、うんうんと頷いた。 と――その時。 「わはーい! 今回も異世界転生成功なのでーす!」 鈴を転がすような愛らしい声が、 背後から聞こえた。 (うほっ! 金髪の獣ミミ! しかも修道服!     
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