野望

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 日本海溝の底の遠征基地にカラフルなタコ…もといフィラフステ星人が集まった。  「皆、忙しい中ご苦労である。今回は声優学校調査員3号による発覚事故を隠密に処理する手立てを考えたい。」  金色っぽいタコ…もといフィラフステ星人が話す。彼こそがフィラフステ星日本海溝遠征基地、150名を超える調査員の長なのだ。  「声優ゴッコで終わらせるとか、記憶操作とかではダメなんですかねぇ。」  緑色っぽいタコ…もといフィラフステ星人が言う。彼が蝦山スタジオで制作進行をしている先輩こと制作進行調査員16号である。制作進行調査員は激務のために既に14名がフィラフステ星に帰還している。  「ゴッコでは一時的な効果しかないだろう。フィラフステ星の宇宙憲章で別惑星の住人の記憶操作は重犯罪者のみだ。処罰するなら声優学校調査員3号とその監視役である声優調査長1号であろう。」  金色っぽいタコ…もといフィラフステ星人の長が言う。桃色っぽいタコ…もといフィラフステ星人声優調査長1号という肩書の上司が軽く震える。紫色…仮名、今泉成人は会の当初から顔色が青いのだが、もとから紫なのであまり変わらない。  なお、フィラフステ星日本海溝遠征基地では全て日本語での会話が儀礼となっている。長が魔法少女アニメを観すぎて、既にフィラフステ星語をすっかり忘れているとの噂もなくはない。
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