野望

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 「ついに我々の野望を果たす時が来たのではありませんか、長。オリジナル長編映画。タイトルが現代ではウケそうにないですが、我々が日本人に融和するための先駆けとして皆で頑張る時が来たのですよ、もう体制はほぼ整っています。やりましょう、いや、やりますよ、長!」  茶色っぽいタコ…もといフィラフステ星人が蝦山スタジオ代表の代表取締役調査員2号である。ちなみに代表取締役調査員1号の、銀色っぽいタコ…もといフィラフステ星人は映画会社の取締役の席におり多忙で今日は来ていない。映画会社で活動しているプロデューサー調査員には既に数多くの映画やテレビアニメに関わっている者も少なくない。もちろん蝦山スタジオもオリジナルが無いだけで数多くのアニメーションの元受けの実績を作っていたのである。  「そうかもしれんな。皆、どうだろうか?この若者の失敗を、我々の、フィラフステ星人の野望の印として歴史に刻み込むコトに反論はあるかね?なければ皆の拍手を持ってオリジナル長編映画『深海冒険マリンレスキュー』の制作を本件解決策として決議としたい。」  カラフルなタコ…もといフィラフステ星人たちがいつの間にか地球人に擬態して拍手をする。  金色っぽいタコ…もといフィラフステ星人は長い白髪の魔法使いのような姿に。  茶色っぽいタコ…もといフィラフステ星人は狸体形のスーツ姿の中年に。  緑色っぽいタコ…もといフィラフステ星人は白シャツネクタイに顎ヒゲのキザな男に。  桃色っぽいタコ…もといフィラフステ星人は細いメガネにスーツな女性に。  紫色っぽいタコ…もといフィラフステ星人はフード付きトレーナー姿の今泉成人に。  そして、野望に向けて、おのおのスケジュール調整に向かうのであった。水を媒体とする謎の転送システムで。
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