激闘

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激闘

 まず悲鳴を上げたのは、蝦山スタジオの制作進行調査員16号…間島時男であった。  「来冬公開とか、どう考えても無理じゃないの、社長!春から深夜のアニメだけで各シーズン2本、映画下請けで1年、投げたら制作委員会の信用どこまで下がるんですか。もう額ハゲるぐらい現場で土下座してる身にもなって下さい。3Dの増員ばかりじゃなく、作画にも地球人スタッフ入れて下さい。」  「全体スケジュールは俺を含め取締役調査員とプロデューサー調査員の仕事だ。今泉クンは君の地元の後輩だろ、ガヤ仕事を回してたのも知ってたぞ。来冬より後ではスケジュールを箱田さんに疑われてしまうんだ。3DCGスタッフ増員はダミー。人数増やすフリして…実際少しは増やすけどね。プロデューサー調査員が出来る限り3DCGで請け負う。意味わかるよね。」  蝦山スタジオ代表である代表取締役調査員2号…田沼陸造が答える。  「まさか、4DCGS使うんですか?」  「出来るだけ日本のアニメーション技術でやってきた、やりたかったが、他の仕事は4DCGSでこなして進める。初のオリジナル長編映画はどうしてもフィラフステ星人による手書きアニメーションでやりたい。無論、必要な部分は3DCGを使うがね、潜水艇なんかも出るワケだし。でも人は、顔は手書きでやりたい。それこそがフィラフステ星人の悲願だよ。」
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