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次の日、堵亜の提案で買い物に来ていた。
――目的はセミダブルのベッド。
よほど気になっていたみたいで、『部屋が狭くなる』という要望は考慮してくれ、今あるソファを捨て、その代わりとしても兼用できる物を探すらしい。
「シンプルなデザインを選んで、シーツは白で統一したら?壁につけて配置すると狭く感じないと思う」
「なるほど……」
2階には大型家具が展示してあり、ベッドはもちろん、ソファ、机、クローゼット、食器棚等……様々なお洒落な物が揃えられていた。
イメージが浮かびやすいように、モデルとしてその中の家具を使った部屋も展示されている。
「ほら、ああいうのいいんじゃない?」
「本当シンプルで素敵ですね」
今の部屋はベージュと白が多いので、展示されてるのに近い部屋を見つける事ができた。
違和感なくセミダブルのベッドが配置されていて、マットレスに脚がついているので、背もたれを壁にしてしまえばいい。
「あれでいいとして、あとは寝具とシーツだな」
イメージが既に浮かんでいるのか、私の手を引っ張り1階に降りようとしている。
彼に選んでもらえるのは嬉しいけど、こちらとしては値段を見てないので、予算的な不安もある。
寝具コーナーは子供連れも多く、落ち着いた雰囲気ではないので若干見にくい。
掛け布団を手で触ると「これは軽くていいなぁ」と、そんな事はお構いなしで、自分が使うように感触を確認する堵亜。
『まぁ、一緒に寝る事もあるから気持ちは分かるけど』と、顔を綻ばせながら便乗して触れてみる。
「この毛布もフワフワです……」
同系色の毛布に手を伸ばしていると彼も近くで触っていた。
普通に社長と買い物してるなんて……。
付き合って数日で、生活感のある買い物に参加したのも今までない経験だが、頼りになる相談相手なので、迷わず欲しい物が限定されていく。
「よし、大体こんなもんか」
商品の番号札をいつの間にか持っていた堵亜は、レジに直進していた。
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