第1章

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――翌朝。 私は食堂に足を運んでいた。 昨日の人との待ち合わせ場所だからだ。 服装はウチの服を着ているし、キレイめにしているから問題はないはずだ。 朝なのでランチに上がって来る人はいないし、貸し切り状態だ。 ここからの景色を見るのも気分転換になっていた。 『もう、あまりここに来る事もないんだろうか』 待ち合わせ時間5分前に昨日の男性が現れた。 「お疲れ様です。顔を合わせるのは初めてですよね?私は高橋と申します」 「お疲れさまです。坂田と申します、宜しくお願いします」 昨日同様、オシャレスーツに身を包んでいて、テキパキしてそうだけど、思ったより人当たりは良さそうな雰囲気だ。 「急な異動の話で、驚いたと思いますが、本日から勤務して頂くにあたって…」と早速、引き継ぎ内容を伝えられた。 特に『秘書』的な内容は言われず、まずは社長に同行したり、身の回りのお世話役のようだ。 高橋さんと社長室に向う間「何か噂とか聞きました?」と言われ、どう答えようか迷ってしまう。 「社長室を陰でL-Room(エルルーム)と呼ばれてますが、噂よりは良い人なのでご安心下さい」と助言された。
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