同居

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同居

そのとき、慶一さんと私は、根本的に合わない人間なんじゃないかと、初めて不安になった。 それは彼が冷蔵庫内部の一角に、薄いブロック型の栄養補給食品を一週間分と、あとそれと同じ数のエナジーゼリー飲料を規則正しく並べていると知ったからだった。 彼は朝それを各ひとつずつ、五分とかけずに口に入れ、歯を磨いた後にミントのガムを噛む。 そのあと、ブロック型の箱にガムを含め出たゴミをすべて詰め込んで、それを出掛ける直前に、カツンとゴミ箱に捨てていくのだ。 それは毎日変わらないらしい。 黄色いパッケージの箱型のゴミは、同じゴミ箱にすでに三つ溜まっていた。 一緒に暮らすことになって初めての朝に、それを目の当たりにした。
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