同居

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「やだもう、磯田さん、やめて下さいよ。専務は格好いいから目の保養だったんです。それだけですよ。専務のお嫁さんを前にしてそんな暴露しないで下さい。パワハラですからね」 磯田さんと市川さんは、おそらく親子ほどの年齢差があり、だから会話が弾むのだろう。私は二人の会話を聞いているのが面白かった。 森さんと前原さんも会話に参加し、笑っているが、この二人の本心はよく分からない。 しかし建前上、この島は平和だった。 それもこれも社長秘書の北山さんが、私がここへ来る前に、総務部の人たちに私のことを慶一さんの婚約者として紹介し、トラブルのないようにと言付けていたからだと、後で磯田さんから聞いて知った。 ここの仕事は、初日だからとか関係なく、楽なものだった。
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