同居

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堕落していくことを危惧していることも事実だが、夢見た「結婚」というイベントなのに、その相手は事務的に付き合っているだけだったとしたら、それは恐怖である。 すると、電話の向こうで、ユリカの少し色っぽいため息が聴こえた。 『あのね、私がわざわざ看護師になって、わざわざ院内で血眼になって結婚相手を探したのはなんでだった?』 「お医者さんと結婚するためでしょ? 最初からそう言ってたじゃない。浜田先生には唾つけてるからって、同僚だった私にも口酸っぱくして」 『そう。玉の輿に乗るためよ。忙しくてお金持ちの相手と結婚して、自分は好きなことをして暮らす。それが理想の結婚なのよ。それができるなら、私は何だってよかったんだから』 あまりにも、浜田先生が可哀想に感じたが、ユリカはこうは言いつつもやることはしっかりとやる人であった。 同僚時代から、職場を婚活イベントと言い放っていたが、誰より勉強家だということも事実である。 実際、現場でユリカに何度も助けられたから、浜田先生は彼女に落ちたのだ。 浜田夫婦は私には、玉の輿であっても、恋愛として、結婚として「対等」であるように感じられる。
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