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しかし、私はどうだろうか。
看護師をやめて実家でぐーたら過ごしていたら、いきなり御曹司との結婚話が舞い込んだのだ。
父同士が知り合いだからと言うが、私は生まれてから一度も父と一緒にいたところを見たことがない人を、父の友人だとは思えなかった。
その人が大企業DOSHIMAの社長だというのだから、なおのこと。
しかしその息子である堂島慶一と結婚することについては、メリットしか思い当たらなかったものだから、私は父と社長さんの関係に疑問を感じることをやめた。
それがこの結婚のもっとも簡潔な経緯である。
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