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「はーい」
「ごめんね、実は緊張してたから途中でコンビニ寄るの忘れちゃった。冷蔵庫の中ので良かったら好きなもの飲んでいいからね」
「えー、いいんですか?ありがとうございます」
現金なもので、今までの同い年の彼氏たちが買うのを渋っていたホテルの高いジュースやお酒を飲んで良いと言われた瞬間に怒りが和らいだ。
今まで5歳以上年上の男性と付き合っている同級生の気持ちが理解できなかったが、相手が社会人だとこういう面でストレスが無いのがいいのかも、などとボンヤリ考えながら遠慮なくコーラを取り出して飲む。さすがに半裸のままは肌寒いのでカーティガンだけ羽織ることにした。
性癖にささったのか、ノートパソコンをいじっていた山崎が急に反応してきた。
「あ、それ結構エロくていいね。そのまま1枚!」
「どうぞ」
お金のためだから了承しているが、当然のようにカメラを向けられるムズムズ感と電車内などで不躾な目で見られる不快感は同じような感覚であることに段々と気が付く。
これを生業にする人種は、集まる視線に何が含まれていようとも、とにかく脚光を浴びたいタイプなのだろう。例えば私の嫌いなあの子のように。
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