約束

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2月14日は女性が男性にチョコを贈るというイベント。 愛し合っている男女、好きな人がいる女子(男子)には とても大切で、素敵な日だと思う。 けれど……先に言おう。 私の誕生日が被っているからか、バレンタインデーと言う日が 大っ嫌い。 何も2月14日じゃなくても…… 第2日曜日にするとか元から固定にしてしまえば恋人達や、片想いしてる人々はデートしやすかったりするんじゃないのだろうか? なんて朝の登校時から考えていたけど 「今年も……チョコかなぁ……」 共働きの両親からも 誕生日を覚えてくれている友達もプレゼントは決まってチョコに関する品々を寄越してくるもんだから(その年のプレミアムチョコとか)正直うんざり。 ≪大きくなったら沢山の薔薇を誕生日に送ってやるよ!≫ と言っていた幼馴染みは 果たして約束を覚えているのだろうか…… 下駄箱 「こっち来んなよ!!」 「せんぱーい!」 「待ってくださーい!」 ビュン! という効果音が聞こえる位の速さで走り去る男子生徒は、よく見れば約束した相手の幼馴染み。 その後をパタパタと女子高生二人組が脇を駆け抜ける 幼馴染みなのに挨拶もないし、すれ違い様に吹く風がスゴく冷たかった 「モテる何とかは辛いよ…ってか」 私の気持ちも知らないで ため息混じりの息を吐き 「おは……よ?」 私が教室に入るなり静まり返るクラスメイト達 何やら気まずい雰囲気。 「え、ちょいまち!皆してどうし…」 私がなにかしたのかと思いつつも 何も気にしてないフリをしながら 自分の机に向かえば 「……え?」 私の机はどこでしょう? 目の前の1席だけ赤い薔薇の花で埋め尽くされているのだ 「なにこれ?」 イタズラかと思いきや、添付されていたカードを拾い上げる 「……!」 そのカードを見た私をクラスメイト達が 「だ、大丈夫?」 「イタズラにしてはやりすぎだよね」 「この薔薇どうする?」 と、口々にざわめきはじめる 「ん、大丈夫…全部持って帰るよ」 自分でも分かるくらい、私の頬は綻んでいた。 カードに記された2枚のメッセージ ≪Buon compleanno≫ (お誕生日おめでとう) ≪Sono innamorato≫ (あなたに恋してます) この2言だけで誰からか分かる 幼馴染み、からだと。
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