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あれ?と、僕は彼女の喋り方に、どこか違和感を覚えた。例えるなら、文を単語の切り合わせだと思うような言葉を切れ端としてしか見ていないような、変な喋り方なのだ。
そんなことを考える僕を余所に、少女が切符を差し出してきた。それを見ようとしたところ、突然後ろの人にどつかれた。なにすんだよと、叫ぼうとしたところで気付く。いつの間にか、列の最前線は僕になっていたのだ。後ろにはまだ、ずらりとサラリーマンたちが並んでいた。皆、ターミネーターのような目でじっと僕を見ている。アーノルド・シュワルツネッガーが演じたやつみたいな。えへへ。媚びるように最大限の愛想笑いを浮かべ、スタコラサッサ。急いで僕は列を外れた。サラリーマンたちは次々に新幹線に吸いこまれていく。ため息。今日は厄日かもしれなかった。
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