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「バカヤロー」と誰かが叫んだ。口々に罵声が聞こえた。やがてそれに拡声器が混じってきた。
「責任をとれ」
責任とはなんだろう。
「謝罪しろ」
何について謝罪しろというのか。
窓の外をのぞくと何百という人があつまっている。人々の顔は怒りに満ちていることがよく分る。
「なんだ、この人たちは」
このような事態になっても、どこか遠い世界のように見える。
ラップ調にシュプレヒコールを叫ぶ者もいる。「辞めろ」と叫んでいる。なにを辞めろというのか。
夜になって人もだいぶ増えてきた。
ライトや照明もたかれ「華々しく」なってきた。
踊り狂うグループでてきた。
ロケット花火が何発も上がった。
そう言えば近所の人たちはどうしているんだろう。周りの家の窓は暗く、ひっそりとしている。
何もない住宅街でこのような集会がおこり。この群衆と対比するようにこの町は死んでいるかのように静まりかえっていた。町の人たちはどこに行ったのだろう。
この人々はどこからきたというのか。
またロケット花火がはじけた。
照明に人々の激高した顔が浮かび上がった。
ヘリのけたたましい音が轟いた。やっと警察が動き始めたのだろうか。ヘリからスピカーで何か叫んでいる。人々はヘリに向かって罵声を叫んでいるのがわかる。
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