富田さんが転んだ

11/13
前へ
/13ページ
次へ
ということだった。私はお詫びをして、すぐに取り替えさせて頂く内容をお伝えし、電話を切った。 配送センターに電話をする。 「はい、配送センター木村です。」 女性の事務員の木村さんが出た。私は、要点をまとめてお伝えし、センターの在庫を確認してもらった。責任の所在は不明だが、お客様のご注文の控えとお届けした商品の色が違っており、早急にお伺いして欲しいとお願いした。 2時間程して、センターの木村さんから、私に電話が来た。 「あっ、高橋さん。さっきのあれ、無事に商品交換できたと連絡入りましたよ。お知らせしないとと思って。」 「木村さん、ありがとうございます。安心しました。」 「確か、前にもありましたよね。確認の電話頂いたよね?」 「はい、そうでしたね。冨田さんに配達して頂きました。」 木村さんは、少し間をおいて感慨深く答えた。 「それ、冨田さんは冨田さんでも、健二さんの方だけどね。」 「えっ、健二さん?」 「冨田健二さん。とみたさんが二人だから、ワ冠の冨田さんは、健二さんと呼ばれていたのよ。もう一人が、ウ冠の富田隆志さん。漢字が違うの。」 「えっ!じゃあ、行方不明になったのは、富田隆志さん・・・ですか?」 「そうよ。まだ見付からないのよ。あの後、健二さんも辞めたしね・・・。」 私は、電話を切って頭の中を整理した。     
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加