富田さんが転んだ

こんな噂話を聞いても、隣町の遠く離れた場所にある配送センターでの出来事である。自分にはまったく関係ないし、その健二さんに会った事もないので、すぐに忘れてしまう程度の話でもあった。

午後になって、お客様からクレームの電話が入った。
「午前中に配達の商品が、まだ届いていない。」
という事だった。さっそく、配送センターに電話すると、
「配送センター、冨田です。」
私は、簡単に内容を説明した。
「ああ、すみません。こちらの手違いのようですね。でも今、配送で動ける業者さんいないんですよね。」
「でも、こちらの手違いなら、なんとかして頂かないと・・・。お客様も怒ってるし・・・。」
「分かりました。私が、直接配達しますから。」
「そうしてもらえると助かります。よろしくお願いします。あっ、こっちは雪だから、気を付けて下さいね。」
と言って電話を切った。
ひとまず、お客様にも連絡を入れ、なんとかお怒りを静めて頂いた。
良くない事ではあるが、配送でのトラブルはよくある。
配送日の誤り、配送場所の誤り、商品の誤り、そして、お客様宅にて住宅設備の破損など、どんなに気を付けていても、起こってしまうのだ。
そんな時は、速やかに、誠意を持って対応させて頂くしかない。
今回もすぐに届けると言ってもらったので、少し安心した。