富田さんが転んだ

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それから数日後、夜に、英子から電話が掛かってきた。大体はLINEのやり取りなので、余程のことであると直感した。 「大変なの。今、聞いたんだけど、配送センターの富田さんが、失踪したんだって。」 「えっ、いつ?」 「それが3日前、昼間、急に居なくなったんだって。配送センターに荷物とか全部残ってて、携帯だけ持っていったみたい。」 「車は?車で来てるでしょ?」 「車も残ってたそうだよ。不思議でしょ。」 私は、そこである事を思い出していた。 3日前の昼間といえば、クレームのお客様からの電話で配送センターに連絡を入れた日である。午後2時頃、確か冨田さんが出たはず。そして、「自分が、届けます」と言っていた。 会社のトラックを使用したはずだから、自分の車が残っていても不思議ではない。 (あの日は、雪が凄くて荒れていたから、途中で何かあったのかも・・・。わぁ、どうしよう・・・。私が、無理にお願いしたせいで、事故にでも遭って病院に運ばれているかも・・・。) その日はほとんど眠れず、あれこれ考えて、朝を迎えた。 私は、ホームセンターに出勤すると、すぐに配送センターに電話した。 「はい、配送センター木村です。」 女性の事務員さんが出た。電話でだけだが、何回も会話した方である。 「あっ、木村さん、○○店高橋です。お疲れ様です。」     
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