1-2 日常

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閑話休題、――いや、閑話休題じゃあない。 突然だが、一日経過後の話になる。 俺に起きた事件はやってはいけない居眠りから始まるわけだが、その舞台素地はあらゆるこまごまとしたもので構成されている、とも言える。時系列で説明するよう心がけると前置きしたが、もちろん、指輪物語のようなハイファンタジーやスターウォーズのような超大作SFじゃあるまいし、○○暦だの第三惑星がどうのこうのというところから始めるつもりは毛頭ない。 しかしながら、きっかけの居眠りの前には、事件が起こるいろんな要因があったわけだ。 そのひとつが前日の席替えであり、俺の後ろに座った“すめらぎ宮子”だった。 翌日俺は、子供みたいに心弾ませながら、けれどもなるべく平静顔で退屈げに周囲に見えるように、登校した。 自転車登校のため、駐輪場に自転車を停めたところで、一ノ瀬と(いちのせ)二葉屋(ふたばや)にあった。クラスメートであり、友人と言っていいはずの二人だ。 「宿題やったか?」 「いや」 「だと思った」 「お前は」 「俺も」 「だと思った」 一ノ瀬と二葉屋はだるそうに自分の自転車に腰掛けたまま、ほとんど生産性のない会話をしていた。それはいつもの光景だった。 「よぉ」 俺が声をかけると、二人とも声を返した。いつもの行動だ。辺りに他の生徒のたのしげな挨拶が飛び交う中、俺たちはのそのそとクラスへ向かった。 「ねむ」 あくびをしていると、一ノ瀬が横目で俺を見た。 「昨日の夜、何かやってたか」 「youtube見ながら漫画読んでた」 「ふーん」 「……」 二度言うまでもないが、なんて生産性のない会話だ。
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