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研究所は爆発し、祖父の姿は、時間遡行機械とともに消えていました。
初めのうちは、どうすればいいかわからなかった。お嬢様も、町ゆく人々も、大旦那様も奥様もお屋敷の人たちもみんな、凍りついた時間の中に閉じ込められてしまっていましたから。
どこかに、自分と同じように難を免れた誰かが居るかも知れない。そう思って、自分の足と自転車で行ける限りの場所を走り回ってもみました。
それに疲れ果てると、今度はひたすら待つことを始めました。これは夢で、いつかは必ず覚める。そうでなくても、またある時から突然、時間は動き出すはずだ。そんなふうに自分に言い聞かせながら。
そして……ふと、空腹や眠気や寒さなどを全く感じないことに気づいたのです。
この時の凍った世界を自由に動き回ることができるけれど、自分の時間もやはり止まっているのではないか……食べもせず眠りもしないということは、年を重ねることも、肉体的な死もないということなのか……
それに気づいた途端、途方もない恐怖に襲われました。それは、永遠に独りぼっちであることを意味していたからです。
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