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俺はあの日完成させたスケッチをもとに、彼女の石像を作って「公園」に立たせた。
屋敷の窓を見上げて笑う、猫を抱いた彼女の像を。
給金を出して運搬の手を借りた男たちが、モデルは誰かと詮索する中、群がる子どもの何人かが、猫のお姉ちゃんだと騒いだ。
一人は、これ同じ、と俺のバッグを引っ張る。
彼女の持ち物はよく見ていなくて、部屋にあった唯一のバッグを真似た。
それを話すと、ただの事実にすぎないのに、皆が笑った。
……皆、疲れているのだ。
俺はそっと人の輪を離れ、屋敷に戻った。
彼女の笑顔と比べてしまい、見ていられなかったから。
思えばもう、二年以上前の話だ。
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