白息の正体

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白息の正体

輝く背中に近づいたら、彼女の肩越しに白い息の軌跡が見えて、一瞬心臓の機能を奪われた。 ……そんな馬鹿な。まだ非科学的なヤツが出ていい時間じゃない。出るなら心の準備をさせ、 ーーぱたたっ! 図ったように鳩が舞い立ちーー望まない一歩を、踏み出してしまった。 よろめく瞬間。 あり得ないはずの、彼女の白息の正体を知る。 大きなホットドッグから立ち上る、湯気。 ……あまりの光景に、俺の口はしばらく開いたままだった。 なんでホットドッグ? なんで、石像の手にホットドッグ?
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