くそ野郎

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「いやあ、それほどでも」  おい、俺! 何言ってんだ……。 「ずっと気になってたんですよ。この子はいつもどこに行ってるんだろうって。帰ってくると、凄く機嫌が良くて」 「そ、そうなんですか……」 「それで、今日は後をつけてみたんです。お礼もしたかったし」 「いや、お礼なんて! 僕の方こそ勝手なまねを」 「とんでもないです。ご迷惑じゃなければ、今まで通りこの子と遊んであげてください」  やばい。胸が撃たれた。なんか俺、必要とされてる。 「は、はい! ぜひ!」  俺はこの時思ったね。繋がりのきっかけがあるなら、自分も乗っからないとダメだと。自分が求めないのに、相手が求めてくれる訳ないよな。今頃気づいちまった。  あともう一つ。ちゃんと働こ。  今までの俺よ。いいかげんにしやがれ!
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