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なぜだろう、目を合わせたままでいられなくて、若干視線をずらして、私は答えた。
「えっ…あ、14です。」
「そうか。じゃ、一緒だな。」
夢喜君の笑顔にたえられなくなった私は、うつむいた。
「は、はい。まぁ。あの、それでここは…」
私が最後まで言う前に、夢喜君が口を開いた。
「さあ、君の一番近くで、でも、知らないところかな。」
私は、意味をはかりかねて、
「それって、どういう…。」
ときいた。夢喜君はいたずらっぽく微笑むだけだった、
私はあきらめて、そのままだまっていた。
ピピピピピピ…。アラームの音で、私はハッと飛びおきた。
ここは、自分の部屋にまちがいない。
何だ、さっきのは全部夢だったのか。と思いながら、私は目覚まし時計のアラームを止めた。
昨日、この時間から見たいテレビがあって、アラームをかけていたのを、すっかり忘れていたのだ。
テレビ、その手があったか…。目覚まし時計のおかげでそれに気がついた私は、またボサボサになったかみを手でとかしながらテレビのあるリビングへと向かった。
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