大好きな彼につく嘘は苦い

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騒ぎを聞き付けて、理人先輩と、頼人先輩も広間に入ってきた。佳大さんに抱っこされてる僕を見て二人とも、にやにや笑っていた。 「やるじゃん、未央」 「大人しいだけかと思ったら、ヘェ~意外」 また、好奇の目に晒された。 アツは・・・というと、ある一定の距離を保った所で、腕を前で組み、仁王立ちしていた。 ジロリと、冷めた目で見られ、辛くて、苦しくて、涙が込み上げてきた。 夕飯も結局、喉を通らなかった。 心配したアツが、雅枝さんに頼んでくれて。 そっと、お握りを持たせてくれた。 その後、案内して貰った客間には、すでに布団が敷かれてあって、思わず飛び込んだ。 ふわふわしてて、気持ちいい!! ちゃんとした布団で寝るの、何日振りだろう? 気に食わないと、いっつも外に出されて。 玄関の扉に寄り掛かって寝たり、駐車場の冷たいコンクリートの上にそのままゴロンと横になって丸くなって寝た事もある。 一週間ぶりかな・・・かな!? 体のあちこちが痛いし、痒いで、夜も明けきらないうちに目を覚ましたら、寺田さんと目が合って・・・ビックリする間もなく、ここに連れて来て貰って以来。 ゴロゴロしながら背伸びをしていると、寝間着姿の佳大さんが入ってきた。 「なんで・・・」 思わず飛び起きた。 「そんなに驚く事でもあるまい。寝るぞ」 佳大さんは、僕の所に来ると、上掛けを捲り、そのまま横になった。 「おいで、未央。今日は、何もしないから・・・」 「今日はって・・・」 「結婚を正式に発表するまでは・・・だよ。そんな、怖い顔で睨むな。本当だ、約束する」 佳大さんは、穏やかな笑みを浮かべていた。 「ほんとに、ほんとに信じて、大丈夫?」 「あぁ。嘘はつかない。朝から色々あって疲れただろう」
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