ガーランドへ

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「添島先生から、今までの経過を聞いてきたわ。順調で何より。あなたも少しは父親としての自覚が生まれているようね」 「へ!?」 「へ?じゃないでしょう。これでも褒めているんだから、素直に喜んだら?初めて会った時、こんなチャラチャラした今時の子供に、自分の子供が育てられるか心配だったのよ」 アツと話しをしながら、服の中に聴診器の丸い部分を差し入れ、お腹のあちこちに当てがった。 「うん、異常なさそうね。赤ちゃんも、お腹を蹴って、すごく元気そうだし。かなり、やんちゃみたいよ。まぁ、逆子なのと、足の浮腫みが気になるだけかな」 そう言って、先生はアツに視線を向けた。 「いつ産まれてもいいように、さっさとガーランドに来なさい。子育ては、未央ちゃん一人では絶対無理だからね。分ったら返事しなさい」 「は、はい‼」 アツ、ビクビクしながら姿勢を整えて大きい声で返事した。 「まぁ、俺もいるし」 佳大さんが部屋の中に入ってきた。 「未央、帰ろうか。俺達の”故郷”に・・・」 「うん」 正直行きたくないけど、アツがあとから来るならそれまでの我慢。そう自分に言い聞かせ、アツと佳大さんに体を支えて貰いながら何とか体を起こした。
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