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リィンとジョルジュは配達屋さん。どんなに山奥でも、どんなに強いモンスターが道中にいても、魔法が得意な二人にかかれば、あっという間。世界中どこにでも何でも配達をこなします。
「リィン! 待ってよ!」
「待たないわ! だって今日のお届け物はほっかほかのパンプキンパイよ!」
ジョルジュが、魔法の鞄の中だから温度なんて変わりっこないじゃないかと呟きますが、リィンには関係ありません。パンプーの街中を意気揚々と歩いていきます。
「あ、ホットドッグ屋さんをはっけーん!」
唐突にリィンが止まったかと思うと、吸い寄せられるようにホットドッグ屋の中に入り、大きなホットドッグを買いました。ジョルジュははぁ、とため息をつきます。
配達屋でチームを組むようになって半年。ジョルジュは、ほとほと呆れることばかりです。
「ねえ、リィン」
「なあに? ジョルジュ!」
「どうして君はいつも自由なんだい? ホットドッグを買ったり、地図も読み込まずに突っ走ったり」
リィンはにっこりと笑います。
「だって、お腹がすいたらきちんと食べないといけないし、ジョルジュはいつも冷静で慎重にいてくれるでしょ? だけど、戦うのは私が得意だから前を見て、ジョルジュが怪我しないようにしたいの! それに! 早くて正確なのが、お客様の笑顔に繋がるでしょ!」
ジョルジュはにこりと笑いました。
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