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ヒナはバックのご飯を平皿に入れて、くれた。
「この中には、レトルトカレーが3パック入ってる。しかし、カレーは人気商品、スーパーには二個しかなかったの」ヒナはなぜか、にやにやしている。
「嫌な予感がするな」エイさんは何かを察したようだ。
「売り切れたカレーの横に、もう一つカレーがあったのね。何かはわからないけれど、20倍って書いてあったわ」
流石に私も感づいた。カレー、二十倍…そうきたらもう、あれしかないではないか。
「箱は捨ててしまって、ここにあるのは銀パックだけなので中身は判別できないわ」
「せーので取ろう」「そうね」
エイさんの冷や汗が火の光を受けて、鈍く光った。
そんなこんなで全員の盛り付けが終了する。ヒナがスプーンを配ると、全員が位置につく。
「じゃあ…いくわよ」
一口分をすくい、睨み合う。
「せーのっ」
私の口にはいったカレーライスは、暖かく、程よく美味しかった。中辛だ。
他の二人を眺める。しかし、二人共同じような顔をしていた。
「誰?」「ハルさんか?」「中辛だったよ」
全員が首を捻る。「まあ、なんでもいいか。美味しく食べようぜ」エイさんがバクバクとまた食べ始める。
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