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 つらつらとそんなことを考えながら、自転車を店舗の前に止めた瑠璃子は、ぐるりを見渡した。  ここにたどり着けるまで、道を間違え行き止まりで引き返したり、ぐるぐる同じ場所を行ったりと、住宅街の細い道を迷いながら走った。もうどこをどう走ったのか……瑠璃子が途方に暮れていると、まさに突然という感じで、目の前にその店があらわれたのだった。 (ここはどこかしら……)  地図アプリで見ると、間違いなく目的地に到着している。周囲は隣市の住宅街のようだが、近くに電信柱が見当たらないので、町名や番地がわからない。  瑠璃子は夫や娘にいつも揶揄されるのだが、几帳面な反面、ある種のずぼらさがあるので(まあいいか。ここがリサイクルショップなのは間違いないのだから)と、店内に足を踏み入れる。  足を踏み入れるといっても、扉が全開で気楽に入ることはできた。しかし奥の方は骨董品が置かれているらしく、重そうなガラス戸で店内が途中から仕切られており、伊万里の大皿のようなものがちらりとガラス戸ごしに見えるだけで、はっきりと奥の様子は窺えない。
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