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そこにはまさに瑠璃子が求めていた、昭和40年代から50年代のレトロな調度品の写真が多数あったのだ。
瑠璃子はパソコン画面の右上にあるメニューを興奮で震える手でクリックして、地図とアクセスを調べた。地図が読めない瑠璃子でも、店はさほど遠くない、自転車で片道15~20分くらいだろうと見当はついた。
(行ってみようか。でも私って本当に方向オンチだものね、無事たどり着けるかしら。でも、このお店行ってみたい)
その夜の夕食の間じゅう、ずっと物思いに耽る瑠璃子だったが、勝彦は妻の屈託に気づかず、さっさと夕食を済ませると、寝室に引っ込んで一人で読書しているようだった。
(お互いのことに全く興味もない夫婦……)
瑠璃子は何年か前に、夫婦で言い争いになったことを思い出した。
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