雑音

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 川の中に寝そべって、火照る青空を見上げていた。  蝉の声。  風鈴の音。  川のせせらぎ。  熱された風にあおられる草木の音。  夏はうんざりするような雑音が多い。  先週遊びに行った親戚の家が懐かしい。都心に住む従妹夫婦の家はエアコンがガンガンにきいていて、上着を羽織らなければ寒いくらいだった。エアコンが心底羨ましいと僕が言うと 『でも、そっちは涼しいんだろ? 扇風機だけで夏がしのげる方がよっぽど羨ましいよ』  なんて笑って答えた。  そんな訳ないだろ一回こっちに来てみろと思ったけど、口には出さなかった。  僕の住む町はド田舎にある。エアコンなんてないし、例えあったとしても、昔ながらの日本家屋のあの家じゃ冷気が外に出てしまって、さしたる効果はないかもしれない。  ばあちゃんは「夏はこれで十分」なんて言って扇風機と団扇を出してくれたけど、はっきり言って力不足だ。  時代は変わったのだ。昔と今じゃ、人の心も地球の環境も大きく変わっている。  のろのろと首を振って、生ぬるい風を送る扇風機だけでは耐えられない。  
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