第1章

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 ああ、あの生田さんは死んだのだろうか、何かの間違いで、今もなお鬱屈とインターネットの片隅に生田さんが生きているのではなかろうか。私の中の、理想の生田さん。これだけ書いてもまだ生田さんを望んでいる。きっと一生引きずっていく。私の中の生田さんは、ずっとみすぼらしく不幸でいる。なんにも望まず、インターネットお絵かきマンとして人生を消費する。それでいい。それでいいじゃないか。漫画家デビューした生田さんは、全然違う生田さんとして、どうにか折り合いを付けていこう。  ファンなんて、読者なんてそんなもんだ、勝手に夢見て、勝手に幻想して、勝手にイメージを作る、そんなもんだ。  ああ、ノイズ・ミュージックが似合わない。サイケデリック・ロックのあの歪みこそ、あなたの美しい孤高だった。
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