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「こっちにはちゃんと説明する義務がありますね。……はぁ」
疲れたようにため息をつき、俺は苦笑いで返すしかなかった。
皮肉かな?
「説明する前に自己紹介した方がいいですね。あたしの名前はエンダ・ロンハート。クラスはランサーです」
聞き覚えのない言葉に小首をかしげる。
「く、クラス……」
学校? 学校の組を言ってんの?
しかし、疑問をハッキリさせないまま続く。
「はいはい! 私はイルゼ・ファンイドラ。イルゼちゃんって呼んでねっ。クラスはね、エンハンサーだよ! よろしくね!」
エンダに続くように手を上げ、元気よく自己紹介をするイルゼ。
「……ま、まあいいか」
聞こうとした質問を言えず、とりあえず流れに乗っておくことにした。
「俺は佐良秋斗、こっちが妹の凛」
「むぅ……人の自己紹介取った」
気づけば、凛は女座りで隣に座って起きていた。
「別に名前くらい、いいじゃん。つか、まだ名前しか言ってないぞ、俺」
「名前だけでも大切なの!」
分らないな……、と頭を抱えてしまう。
「なんて呼べばいい?」
イルゼの問いに、俺たちは少し考えて答える。
けど、考えるほどのものじゃなかった。
「なんでもいいぞ?」
「苗字でも名前でもいいよ?」
「二人の苗字は先ですか? それもと後ですか?」
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