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そんなのを横目に、とりあえず、冷静に俺の隣で寝ている妹を起こすことにした。
「おい、起きろ凛。俺がただ寝ぼけてるだけかもしれないが起きてくれ」
体をゆすり、小さい俺の声掛けに答えるように目をこすった。
「寝ぼけてるだけじゃない……? まだ寝たり、ない……のぉ……」
本当に眠そうな、寝言のような声にまた思考が働く。
なるほど。俺の勘違いと? 目の前にいる女子たちは俺の見間違えと?
……そうか。俺もきっと疲れてるんだろうな。
夢を現実と勘違いをしているのだろう。それもそうだ。でなきゃ、俺たちの部屋に知らない人がいるわけないもんな。まず家に入ることもできないもんな。
これ以上深く考えることはなく、再び目をとじ――
「寝ようとしないで!」
「…………やけにリアリティのある夢だな」
感想を口に出し、寝ぼけていると自覚して妹を抱き枕のように抱き着き、後に回した手で頭を撫で始まる。
「現実でも、こんな感じでできたら、幸せなんだろうな……」
呂律が回り始め、意識がハッキリとしてきたが思ったことを口に出す。
頭を撫でられている凛は気持ちよさそうに満足げな表情になり、俺の胸に顔をうずくめる。
いい夢だな~。したいことができるもんな。
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