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始まりの夜明け
夜明け前――美しい青がどこまでも続く空を少女と見上げる。遠くまで見晴らせる丘の上は、ユリの花で白雪色に染まっている。
物語の結末を、少女は知っているはずなのに。 それなのに、愚痴ひとつ言わない。
なぜ、笑えるのだろう。
困惑する少年とどこまでも明るい少女。
大丈夫。夜には月の灯ランプがあなたを照らしだして、朝には太陽の灯ランプがあなたをあたためてくれるから。
……まだ不安?
はい、これあげる。
――綺麗でしょう?魔王様の瞳と同じ色なの。
なんで?ふふ、だってわたしの大好きな色だから。
夜が明ける――淡い光の中で、漆黒の長い髪をなびかせながら少女は微笑む。
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