12月25日(火)

2/4

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
「まず、この前はすまなかった。君には失礼なことをした。」 一昨日、『三浦早紀』の名前を彼女の口から聞いたとき 俺は彼女が話を続けるのを無理に遮り、逃げるように帰った。 「いえ、突然すぎてビックリしたのは分かります。私の方こそ、すみません…。」 彼女は俺の目を見て謝る。 「単刀直入に聞くよ。君はその名前をどこで知ったんだい?」 彼女のカップを持つ手に力が入る。伏し目がちになり、目が左右に素早く動く。 この先を話して良いのかどうか、そんな迷いが見られる。 「俺に気を遣わなくていい。今度はキチンと受け止める。だから話してくれ。」 躊躇う彼女を辛抱強く待つ。しばらくすると彼女は口を開く。 「…し……れ…です。」 彼女は掠れる声でつぶやく。しかし聞こえなかった。 彼女もそれに気づいたのだろう。しばらく躊躇った後、今度ははっきりとした声で言った。 「私、『三浦早紀』の生まれ変わりなんです。」
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加