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「けん…せい?」
長嶺が言い終わる前に、拳生が逆に長嶺の腕を捻りあげる。
「………どうして僕が…拳生って名前か知ってますか?」
そう言って、自分よりも15cmも背の高い相手を睨みつける。
「親がプロの格闘家だからですよ。だから、拳に生きるで拳生。親に幼い時から手ほどき受けてますから、僕は相当強いですけど相手になりましょうか?」
か、カッコイイ──!!!
「いでっ!!……わかった!わかったからもう離せよ!!!」
捻りあげる手の強さを更に加えて、ギリギリと締め上げる。
「……拳生。もういいよ。そんなのほっといて2人きりになれるとこ行こ。それ以上やると一応、俺も風紀委員だから…注意しなくちゃいけなくなる」
「ああ、そうですね。櫻本先輩の手を煩わせてしまうのはいけませんね」
パッと手を離すと、すいませんと謝る姿はほんとに可愛いい。
が。
「チッ………ただの下僕無勢が…」
プチん──。
グワッ!!ドコっ!!!
俺は思い切り長嶺の腹に蹴りを食らわせた。
「なっ」
「解ってねぇみてぇーだな。長嶺。お前が言ったんだぜ?ここは喧嘩が1番強いヤツが風紀委員長だってな。お前は拳生に負けたつー事は、たった今から拳生が風紀副委員長だ!」
「はぁ!?」
「それから!」
拳生をグイッと抱き寄せる。
「こいつは下僕じゃねー!!俺の……女王陛下の1番のお気に入りだっつーの!!!!」
そう言って、あっかんべーと舌を出した──。
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