☆女王陛下のお気に入り☆

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「っ!」 長嶺の手が伸びて、俺の首筋をツーと撫でる。 その擽ったさに、ビクンと体を震わせれば。 「びんかーん。…………一体何人の男咥えこんで来たらそんなに色気が出るのかね?」 長嶺から不穏な空気が流れ出し、こいつもか…とまたため息が出る。 「俺もそこそこ鍛えてきてるからもうそろそろお相手してくれてもいいんじゃね?」 首筋から背中にかけて撫でられ、腰を引き寄せられる。 ………当たってるし。。。 キスをしようと迫ってくる長嶺の顔を避けるように首を動かす。 「悪ぃな。どんだけ経験積もうが、コーコーセー相手じゃ俺が勃たねぇーの。ザーンネーン」 ドンっ!!と長嶺の胸板を押して腕から逃れる。 そして、足元においてあった鞄を取り上げると風紀室から出ようとする。 「帰るのか?」 「あぁ、呼び出されたんでね」 スマホをヒラヒラさせて、部屋を出た。 誰もいなくなった校舎。 遠くの方で野球部の声が聞こえる。 今の時刻は16時半。 時間にまだ余裕はあるが、長嶺と一緒にいるよりかは1人で図書室に篭ってる方がマシだった。 カラリとドアを開けて閉める。 ヘナヘナヘナヘナ──。 その場に思わず座り込む。 「なぁーにが、何人男咥えこんで来たんだ…だよ。……………ドーテー、ショジョだっつーの」
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