第二話 全寮制の男子校

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 三学期に入ってからすぐの試験で、ナンバー1が配下の者に殺害された。配下の者は、そのままナンバー5の下に参加して、ナンバー1の遺産を持参金代わりにしたのだ。  ここで、完全に派閥が崩れ去った。  誰かが自分の命を狙っている。そんな状況が作られてしまったのだ。  俺も学年のトップを争う一人になっている。  こうなってみてはっきりと解る。夜寝るのが怖い。一人でいるのが怖い。2人以上になるのが怖い。  いつ殺されるのか?誰が味方で、誰が敵なのか?配下の者たちはいるが、いつ裏切っても不思議ではない。俺を殺して、俺から全てを奪えば、そいつが翌日からトップの一人になれる。  全員が敵なのか?  奴隷も抱けなくなっている。落ち着かない。ナンバー2は、奴隷だけを複数抱えて部屋で籠城したのだが惨殺された。犯人は、ナンバー5の配下の者だ。殺害方法は公表されていないのだが、ナンバー2の遺産を引き継いで、ナンバー1になったのがそいつだから間違いないだろう。しかし、そいつも翌日にナンバー5によって殺害された。  俺は、相対的にナンバー3か4になれるように調整している。  上になった者と形だけでも同盟を結ぶ事を繰り返している。俺は生きて卒業する。  100名居た同級生も、昨日で43名まで減っている。いや、昨日俺が殺した奴がいるから、42名だろう。     
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