第三話 学校の噂

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 その程度で親が騙せるとは思えないが、この学校では小学校から高校卒業まで親にはモニター越しにしか会えない。そして、自分たちを上流階級や選民だと思っている馬鹿な親は子供をアクセサリーの一つ程度にしか思っていない。  高校を卒業するときには、別のカリキュラムでマナーや勉強を教え込まれた、整形済みの子供達を自分の子供として喜んで迎える。  どうせ、長男の予備の予備程度にしか思っていないものが、優秀になって帰って来て、長男を支える様になるのだから、学校の評判もうなぎのぼりに良くなっていく。 「そうだ。あの女性の記者はどうした?」 「担当は私ではありません」 「そうか、誰に・・・。あぁ奴隷にしたのだったな」 「はい。今頃、薬で調教している頃です」 「わかった。始末は任せる」 「はっ」 「男は?」 「いつもどおりに処理しました」 「男は困るよな。あまり食べる所も無いからな」 「まったくですね。それに脂肪か筋肉だけで餌にもなりませんからね」 --- 「編集長」 「なんだ?」 「佐々木の奴を知りませんか?」 「佐々木?そんな奴居たか?」  周りを見るが、誰しもが同じような反応だ。  学校の事を調べていたのは間違いない。週明けから姿を見ていない。週末には居たはずだ。  何をふざけていると思っても、編集長だけではなく、部員の全員が同じ反応だ。俺の方がおかしいのか?     
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