第三話 学校の噂

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「あぁでも、これ以上は突っ込むなよ。ヤブから蛇程度なら俺でもなんとかなるけど、ヤブを突いて毒虫を大量に発生させられたら対処できないからな」 「肝に銘じておくよ」  旧友に礼を述べてからその場を後にした。  資料は、佐々木のメモにあった事とそれほど違いはない。  違ったのは、佐々木が調べても出てこなかった理事長と学長の詳細な経歴が書かれていた事だ。  そして・・・  理事長と学長は、すでに死亡した事になっている。  いくら調べても状況がわからなかったわけだ。  ベトナム戦争で産み落とされた認知される事がない、ライダイハンやアメラジアンを救済する団体を作って現地活動をおこなっていて、現地団体が某国からの圧力で潰されてから、日本で学校を作って、優秀な生徒を送り出す学校になっていった。  理事長と学長は、学校を作った後もベトナムと日本を行き来していて、その途中でテロにあって殺された事になっている。  死んでしまった者が作っている、秀才を作る工場?  救済された子どもたちがどこにいるのか?  性格が変わってしまった99名と秀才になった1名。  存在が消された佐々木。性格や雰囲気が変わってしまった編集長たち。  佐々木の伝言にあった事実。  3階で何が行われていたのか?6階に止まったエレベータには誰が乗っていたのか?       
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