第三話 学校の噂

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「ここ暫く監視されているような感じだったけど、今日は無いと思ってな。お前じゃないよな?」 「俺が?そんな権限なんて持っていないぞ」 「そうだよな。お前がそんな危ない橋を渡るとは思えないからな」 「そうだな。危ない橋は中学の時と同窓会だけで十分だ」 「そうだな」  中学の時の話と同窓会の話はタブーになっている。  こういう話はあいつの方が得意なのだけどな。 「それでなんだ?」 「あぁ悪い。今日田舎に戻ろうと思ってな」 「そうか、帰るのか?」 「あぁ」  久しぶりに東京で地元の匂いを感じるやつだったけど仕方がない。  奴は東京にいるべきではない。  俺は奴の死亡記事は読みたくない。  もう友達が殺される状況を感じたくない。 「能美!」 「なんだよ!」 「桜は向こうにいるのだろう?俺が会いたがっていたと伝えてくれ!」 「わかった。俺も、桜には会いに行くつもりだからな」
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